受験シーズンに思うこと

大学入試センター試験も終わり、2月に入ると中学入試、高校入試、私学の大学入試、国立大学入試と受験シーズンが始まります。受験する本人はもちろん、家族も合否はもちろん”ノロやインフルエンザになって本番で実力を発揮できなくなるような目に合わないか”など落ち着かない季節です。

歯科医として最近この時期に気になるのは、医学部の難化と歯学部の易化です。私が大学受験した1981年当時、医学部と歯学部の間に今ほど差はありませんでした。母校の東京医科歯科大学では医学部も歯学部も同じ入学試験を受けるのですが、最高点は歯学部の受験生でしたし、2年前の1979年では合格最低点も歯学部の方が高かったと記憶しております。

我々のころは教養課程の授業は医学部と歯学部は一緒に授業を受けていたのですが、現在は医学部と歯学部の学生の学力差が激しく、難しくなっているという話を聞きます。

最近卒業して歯科医師になった母校の後輩と話をすると、受験の時、関東では比較的合格しやすいと言われる私学の医学部を併願したが不合格だったそうです。

受験勉強の成績が臨床歯科医師としての能力に、どれほどの相関があるかは定かではありませんが、研究分野においては明らかに関係があると思われます。

歯学部に勉強が得意な学生が来なくなることによって、日本発の歯科における新技術が生まれにくくなっていくことが、心配されます。