最近の歯科事情

コンビニより多いと揶揄されている歯科業界ですが、実は最近では大きな法人の診療所では勤務医の人材不足が深刻化しています。歯科医師の国家試験の合格率の低下により若い歯科医師の絶対数が減少していることが一番の原因です。

一般の方には信じられないかもしれませんが、歯科医師国家試験には実技試験がありません。ペーパー試験で尚且つ、合格率の低い試験に合格させるためには、各大学の教育も座学が多くなるの当然の流れです。そのため、多くの大学では卒業した時点では実際の治療技術はなく、その分一人前の歯科医になるまでの期間も長くなっていることも一因です。

昔は難関大学だったため歯科医の子が少なかった国立大学の歯学部でさえ入試の易化により、実家が開業医の学生が増え、勤務せず実家に帰ってしまうことも、影響しています。

この様な状況を鑑みると、以前ほど魅力のない職業と考えられている歯科医師ですが、一時に比べ勤務医の給与も上がっているので、今の中高校生で実家が歯科に関係ない人でも、歯科医の道を志すのも案外良いのかもと思います。

院内感染対策

10月9日付の朝日新聞に”歯科治療進まぬ院内感染”という記事が掲載されました。未だに患者ごとに歯を削る道具であるハンドピースを交換していない歯科医院が50%もあるとの内容でした。もはやそんなところは数%だと思っていたので驚きの数字でした。

大手町朝日歯科では歯を削るエアータービンやコントラだけでなく歯石を取るためのスケーラーもすべてハンドピースごと滅菌して患者様ごとに交換しています

実はスケーラーは先だけ交換して、ハンドピース自体は交換していない医院が多くこれは50%よりもずっと大数字になると思います。(友人の歯科医などの話を聞いた感じですが)

歯石を取る時の方が歯を削る時より出血しやすいことを考えると、とんでもない話なのですが、スケーラーの方がタービンより高価なのでこういう現実になっているのでしょう。

メタルフリー治療

メタルフリー治療とは金、白金、銀、パラジウム、錫、銅などの金属を使わないで歯の一部あるいは欠損部位を修復する治療です。用いられるのはジルコニア、ガラス系セラミック、ポーセレン、硬質レジン グラスファイバーなどです。メタルフリー治療は金属アレルギーの方に行われる治療ですが、アレルギーはいつ起こるともわからない病気なので、センシティブな方は予防的に行います。

自分の口には金歯や銀歯は入っていないからメタルフリーだと思っていても、従来から行われていた、メタルボンドやレジンフェイシャルクラウンなどの審美修復では表には金属は見えませんが、土台や芯に金属がつかわれています。

アレルギーについては様々な研究がされていますが、患者の数は増える一方です。

今後はメタルフリーの治療がベースになるよう各方面で検討されることを期待しています。

しみる!虫歯なの?知覚過敏なの?

定期検診以外で来院される患者さんの主訴の一番多いのは、”詰め物かぶせ物が取れた。”ですが、二番目は”しみる”です。

しみる理由は虫歯、歯の破折、知覚過敏、まれに歯茎の炎症などが考えられます。

知覚過敏は正式には歯頸部知覚過敏と言い、加齢による歯肉が痩せて歯の根の部分が露出することにより生じる現象で人によっては20歳代の前半から発症します。

歯ブラシで生え際を磨くと鋭い痛みを感じたり、冷たいもの熱いものを飲食したときに痛みを感じるのが特徴です。

虫歯でしみるのとの判別は難しいのですが、私たちが診断するときは歯のいろいろな部分に刺激を与え、痛みを感じる場所の違いにより判断します。

ご自身で判断するのは困難なうえ、虫歯でしみている場合には放置するると重篤な状態になる場合が多いので、歯科に受診し、診断してもらうことをお勧めします。

接着性ブリッジ

ブログの更新をしばらくしていなかったので、何について書こうかと考えたのですが、お問い合わせの比較的多い接着性ブリッジについてお話しさせていただきます。メリーランドブリッジと呼ばれることもあります

通常のブリッジとは抜けてしまった歯の両脇の歯の全周或いはほぼ全周を約1mm削って、抜けた部分をふくめた連続した冠形態の人工の歯を被せ抜けたところを補う治療法です。この治療は両脇の歯がすでに虫歯などで大きく治療してある場合は問題はないのですが、両脇の歯が健全歯或いは小さな虫歯の治療のみの場合、良い歯を削ることになります。

接着性ブリッジとは、抜けた部分の両脇の歯の表層を磨く程度(0~0.5mm)削り、冠形態ではなく薄い板状の金属あるいはセラミックと抜けた部分を補う人工の歯を一体成型し、削った部分に張り付ける治療法です。

これは、最近の歯科用接着剤が歯の表層組織であるエナメル質に強く接着することを利用した治療法で、両脇の歯が大きく摩耗していたり大きな虫歯のあったり、大きな治療を受けている場合には適応しません。

歯をあまり削らずにブリッジを入れられるのでメリットは大きいのですが、通常のブリッジに比べると外れやすいのが欠点です。また2歯以上連続して抜けているケースには適応できません。

接着性ブリッジは歴史的には30年ぐらい前から行われていますが、保険適応になってからは10年未満です。そのため行っていない医療機関の方がまだ多いようです。

ブリッジは通常型のもの、接着性ブリッジともに抜けた部分で噛む力を隣の歯が負担するので、削る量に関わらず両脇の歯の根を痛めるリスクが増えるので、全身状態に問題がなく治療費が負担できる人は、最近ではインプラントが第1選択になっています。