一言で言ってしまうと・・・

最近、電車の中づり広告で週刊誌の見出しを見ると、歯科の特集を目にする機会が多く感じます。一般の治療を受ける方が目にする情報なので、専門家として誤解や間違いはないかと、心配して書店で手に取ると、中には家に持ち帰れないよう雑誌に歯科についての特集が載っていたりして、びっくりすることがあります。

医療に限らず、政治でも経済でも、不正を抑制したり、専門家の一方的な利益や論理によって悪い方向に行ったりしないようにするためにマスメディアには重要な役割があると思います。

”銀歯は虫歯になりやすい・体に悪い”、”すぐ抜歯する歯医者は悪い歯医者”、”インプラントは事故が多く危険だ”、”歯の神経はとってはいけない”インパクトのある記事にしようとするために、言い切ってしまう見出しが多く感じます。

実際、以前はブリッジを入れるために虫歯のない歯を削る場合には、必ず神経を抜くような医院もありましたし、根管治療が得意でないがために、抜かなくてもよい歯が抜いてしまう医院もあったかもしれません。そのような被害?に遭わないために一言でキャッチフレーズとして、”歯を抜かない・神経を取らない・削らない”を覚えておくことは悪いことではないかもしれません。

一言で言ってしまうと、そうなのですが、専門的にはお口全体のことを考えると、抜いたほうが良い状態の歯はありますし、神経も取らざる負えない状態もありますし、歯も削らなければならない場合もあります。

肝心なのは、お口の中全体の将来のことを予測してもらい、高齢になった時に自分の歯がより多く残り、食事がおいしく食べられること状態になるために、その都度ベストと考えられる処置をしてもらうことだと思います