大阪府知事の発言

昨年末から感染者数も再度増えて来て、医療崩壊も現実のものとなってきています。コロナウイルスの性質から日照時間、気温、湿度が下がれば、こうなることは予想できていたのに、十分な対策がされてこなかったための現状があります。

昨日、大阪府知事が歯科医院でのクラスター発生がないことについて何か秘密があるかのようなコメントがありましたが、何も特別なことをしているわけではなく、専門家の指示を的確に守っているだけのことだと思います。マスクのつけ方扱い方一つにしても、医療関係者と一般の人では感染リスクが違うと思いますし、その様な細かな意識の蓄積が功を奏していると思います。

飲食店の時短要請が、現在の緊急事態宣言下での主な対策ですが、1回目の緊急事態宣言からの半年間に飲食店が医療機関のように統一的に感染対策がされていたならば、その必要はなかったのかもしれません。

お酒を飲むような席で、食事をしながらすべての人が常にきちんとマスクをしたまま会話することは不可能です。各テーブルを大きく離し、テーブルごとに個人をアクリル板で大きく遮蔽し、声が通るように一部に穴をあけて、その穴をウイルスを通さない素材で覆うようにするとかすれば、家族以外と会食しても、感染は広まらないかもしれませんが、出来る店舗は限られているでしょう。

暖かくなれば、今よりは感染は広まりにくくなると思いますし、ワクチンがある程度効けば、収束に向かうかもしれません。もう少しの辛抱であることを祈るばかりです

新型コロナウィルス感染症と歯科との関係

全国で緊急事態宣言が解除されましたが、先週に比べ今週は感染者数も増え、町の人出を見ると、容易に収束しないことが想像されます。

完全に社会活動を停止させれば治まるのかもしれませんが、それでは経済的に困窮してしまう人が多く出てしまうことは明らかです。医療崩壊を起こす程度の多少の感染者数を容認しながら社会経済活動をを再開させたというのが現実的なところでしょう。

最終的には集団免疫を得ることによって収束するという考え方もあるわけですから、ここで重要なことは、医療崩壊を起こす程の感染者を出さないこと・感染した場合に重症化して命を落とすことがないようにすることです。

日本疫学会のレポートによると、新型コロナウィルスで死亡する方の多くが敗血症の兆しが見られ、そのスコアが死亡の危険因子として強い相関があったとということです。つまり元々はウィルス性の肺炎でも、死ぬようなときは細菌の関与も大きいということだと思います。

心臓・肺に到達する細菌は口腔内からくると考えられています。口腔内の細菌が口腔粘膜を突き破り体内に入ってきやすい状態が、歯周病・重度の虫歯・破折崩壊した歯根の残存などの歯科疾患です。

つまり、痛くはないが歯茎から膿が出ている状態などは、新型コロナウイルスに感染したときは、重症化のリスクになる可能性があります。

長期戦の様相を呈してきた新型コロナウイルス感染症に対して、口腔内の健康状態の管理が必要な時期に入ったと、考えています。